睡眠薬の眠りのメカニズム

2019年08月31日
居眠りをしている男性

睡眠薬は睡眠障害を患っている人が処方を受けて夜に眠ることができるようにする薬であり、それによって生活の質を向上させることが目的とされています。
これまでに多数の医薬品が開発されてきましたが、現在最もよく利用されているものはベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

これらの薬は脳に存在するGABA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することでその機能を活性化することにより睡眠を誘導します。
これによって塩化物イオンがGABA受容体を通過するようになり、それが刺激となって脳の活動を抑制する働きが生まれます。
その結果として意識レベルが低下していくことになり、ついには睡眠に至ることができるというものです。
こういったメカニズムにより睡眠が誘導されるため、不眠だけでなく不安等に対しても有効性があります。
睡眠を誘導する作用を及ぼすのはベンゾジアゼピン受容体のω1受容体と呼ばれるものであり、ベンゾジアゼピン系睡眠薬はこれの他にω2受容体にも作用します。
ω2受容体は抗不安作用や筋弛緩作用があるため、しばしばそれが副作用をもたらすことが問題となっていました。
その点について改良がなされているのがベンゾジアゼピン骨格を持たず、類似した構造を持ってω1受容体に選択的に結合して作用する非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
そのため、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は不安に対してはあまり有効性がないものの、睡眠障害に対してはより少ない副作用で使用することができるというメリットがあります。

この他にも異なるメカニズムの睡眠薬が次々に開発されてきており、より副作用の少ない安全な医薬品が登場してくることが期待されています。